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【書評】一瞬で決断できるシンプル思考 〜 現代人は目をフォーカスしすぎ?! 〜



今回は、サッカー選手の遠藤保仁さんが書いた「一瞬で決断できるシンプル思考」という本をご紹介させていただきます。



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※画像はジュビロ磐田HPより引用



<著者・遠藤保仁選手のご紹介>

遠藤選手は、1980年生まれで、鹿児島県の出身です。
日本代表では、最多記録の出場数を保持しています。 
ガンバ大阪では数々のタイトル獲得に貢献し、2003年から10年連続でJリーグベストイレブンに選ばれている。 
2020年10月にジュビロ磐田に期限付き移籍して、現在に至ります。

僕はジュビロ磐田を応援しているので、期限付き移籍とはいえ、遠藤選手がジュビロに加入してくれたことはとても嬉しかったですね。

遠藤選手の凄さは、これまでの経歴をみれば一目瞭然ですが、なんと言っても、超がつくほどのマイペース、いい意味で自然体でいるところだと思います。

この本を読むと、そんなマイペースな遠藤選手を支えているものは、「世界中の誰よりもサッカーが上手くなりたい」という彼の情熱であり、信念であり、そして魂であることがはっきりとわかります。

遠藤選手がサッカーをする上で大切にしていることが数多く書かれていますが、今回は、彼がどのような意識をもって「目」を使っているのか、ということに焦点を絞ってご紹介したいと思います。



<こんな方にオススメ>

本書は、遠藤選手のファンの方はもちろんのこと、

・目の使い方に興味がある
・肩こり頭痛で悩んでいる
・メンタルを鍛えたい(特にビジネスマンやアスリート)

といった方にぜひオススメします。



<面白かったところ>

この本を読んで面白かった話を3つご紹介します。


①観察する力、先を読む力


車の運転中、どの車線を走れば前がつまることなく、スムーズに流れに乗ることができるか、常に考えている。前方だけでなくバックミラー越しに映る後方の状況なども考慮しながら、自分が車線を選択している。

また、スーパーへ買い物に出かけた時も、どのレジに並ぶべきか、いつも予測しながら決めている。列を作っている人数、買い物かごの中に入っている商品数、レジを打つ店員の熟練度などを総合的に、そして瞬時に判断して、自分が並ぶべき列を決めていく。

このような日常生活での小さな予測を、意識して何度も繰り返していくと、精度も高くなり、判断のスピードも上がる。
こういった遊び心は、柔軟な発想力を鍛えるうえで欠かせない。


と遠藤選手は考えています。


日常生活における些細な出来事でも、何気なく過ごすのではなく、遊び心を持って、物事やまわりを観察したり、先を読んだりする、という「意識」こそが重要で、その「意識」が習慣をつくり、習慣が結果を生み出すのだと思いました。



②視界の端で情報をとらえる(フォーカスの話)

 
視野を広げるためには、できるかぎり目を使い意識的に情報収集をすることが大事だ。そのためには、物理的に視野を広げるのが効果的だ。  
たとえば、街を歩いているとき、正面を見ながらも視界の両端に見える情報を集めるようにしているから、視界の端っこを走り抜けていった自転車に乗っていたのが男性か女性か、何歳くらいかといったことまでわかる。食事をしているときや雑談をしているときも、正面を見ているようで、実は視界の両端にも意識を向けているのである。正面の相手に50%くらいの意識を集中させて、残りの50%はその周辺に意識を向けているという感覚である。  


と遠藤選手。



アイ・ボディ」という本の著者で、アレクサンダーテクニーク教師のピーター・グルンワルド氏も、

現代人はフォーカスし過ぎ、フォーカスしすぎると全体像がボヤけて、身体の協調作用が乱れ、身体は固くなり、首のコリを生じたりする


と説いています。


遠藤選手は目の使い方、フォーカスのバランスがいいため、結果として身体の協調作用がうまく調和されていて、無駄な力みがなく、優雅なプレーができるのだと思いました。



③目線を上げて歩こう
〜体と心は連動している〜


最後に、目線を上げて歩こう、という話です。


試合中、最後に頼りになるのは自分の目で集めた情報である。
視野が広い選手は、いつも顔を上げて、できるだけ広範囲を見て状況を確認しているものだ。
商談やプレゼンの時などで資料や原稿ばかり見て、下を向いていては最善の選択ができないと思う。顔を上げることの大切さにおいては、サッカーも仕事も同じではないだろうか。人生においても、上を向いて歩いているだけで、自然と心が上向きになりポジティブ思考ができる。体と心は、連動しているのだ。  


と遠藤選手。


スマホを見るときもそうですが、目線が下がると、頭の重さが首や背中にかかり、先ほどのフォーカスし過ぎの問題と同様に、場合によっては身体の協調作用に悪影響を及ぼしたり、パフォーマンスが下がったり、肩こりや頭痛の原因にもなり得ます。

ぜひ日頃から目線を上げて、まわりの景色を楽しむゆとりを持って、人生を歩んでいきたいものですね!


ということで、遠藤保仁選手の「一瞬で決断できるシンプル思考」という本を、目のつかい方に焦点を当ててご紹介させていただきました。

本書では、他にも、彼が日頃からどのような考え方でサッカーに取り組んでいるのか、ということが様々な観点からつづられていて、とても読み応えのある1冊でした。

40歳になっても尚、ずば抜けたサッカーセンスや戦術眼、豊富な運動量を誇っている遠藤保仁選手。

今シーズンもジュビロでの活躍を期待しています。

ぜひあなたも、歩く時や、家事をする時、仕事をする時、スポーツをする時などに、遠藤選手のように意識して目を使うことを習慣にしてみてくださいね。

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