SKIP

【5分解説】歩くことで免疫力アップ!〜 骨ホルモンの話 〜


adventure-1850178_640.jpg




今回は「病気の9割は歩くだけで治るpart2」という本の中から、「骨から長寿ホルモンが出ていた!」というところの話を解説していきたいと思います。

長尾先生の別の著書「認知症は歩くだけでよくなる」という本の中で、「歩くと脳の血流が増える」「歩くと脳の神経細胞が増える」すなわち、「歩くと認知機能が良くなる」ということを書かれていたそうですが、さらなる理由もわかってきたそうです。

それが、

「歩くことで骨に負荷がかかり、骨から脳に良いホルモンが出る」ということです。

骨からホルモンが出ているなんて、意外ですね!
しかも2種類のホルモンがあるそうです。

さっそく本書の中からご紹介させていただくと、

骨から出ていることがわかった大事なホルモンの一つが「オステオカルシン」というもの。このホルモンは、骨でつくられ、全身の血流に乗って脳にたどり着くと、脳の「海馬」に働きかけて、海馬の機能を高めてくれます。

と書かれています。


認知症が進むと昔のことは覚えているのに、ついさっきのことは忘れてしまうことがありますが、それは新しい記憶が保持できないからで、その新しい記憶が一旦保存されるのが海馬ということです。
つまり、この海馬は短期記憶を司っているわけですね。

骨ホルモンのオステオカルシンは、この海馬に働きかけて、記憶力を上げる作用をします。他にも、筋力アップにも作用するそうです。

2つ目のホルモンについてもご紹介しますと、

骨から出ているホルモンには「オステオポンチン」というものもあります。
オステオポンチンの働きでわかっているのが「免疫力」です。
体内に入ってきた異物を排除する免疫機能を担当しているのが白血球で、この白血球は、赤血球や血小板とともに骨の中心部にある「骨髄」にある「造血幹細胞」からつくられます。
骨から出ているオステオポンチンは、造血幹細胞を若返らせ、免疫細胞である白血球を増やし、免疫を高めてくれることがわかってきました。


要するに、骨ホルモンのオステオカルシンが増えると、記憶力や筋力などがアップし、オステオポンチンが増えると免疫力がアップする、ということですね。

では、どうやったら骨ホルモンが増えるのか、ということですが、
もうおわかりですね。

「結論から言えば、やっぱり歩くこと」

と長尾先生。


僕たちの骨は、骨を作る骨芽細胞と骨を壊す破骨細胞というものがあり、壊しては作ってということを繰り返し、人間の体にある200個ほどの骨は、およそ3〜5年で新しく生まれ変わるそうです。

そして、先ほどご紹介した2つの骨ホルモンを出しているのは、その骨を作る役の骨芽細胞だそうです。
ですので、この骨芽細胞を刺激して、いい状態にすることが、骨ホルモンのアップにつながります。

歩くことは、2つの意味で刺激になります。
一つは、重力。歩くと、特に足の骨や背骨に荷重がかかります。
もう一つは、振動。歩くことで骨に伝わる振動が、適度な刺激になります。

とのこと。

重力はなんとなく理解できますが、振動も骨や健康にいい刺激だったとは、とても面白い話ですね。

今回の話をまとめますと、

歩くことで生じる重力と振動という刺激によって、骨芽細胞がよく働くようなバランスになり、結果的に記憶力や筋力、免疫力を上げる骨ホルモンが分泌される。

ということですね。

免疫力や記憶力、筋力を上げるためにも、そして、潜在的に全国で1000万人以上いると言われている骨粗しょう症を予防するためにも、ぜひ歩くことを楽しみたいものですね。


病気の9割は歩くことで治る!part2(長尾和宏著・山と渓谷社)

関連記事