【コラム】固有感覚って、なに? 〜 足裏のセンサー"を目覚めさせる話 〜
目を閉じて、片足で10秒立ってみてください。
「あれ、意外とグラグラする...」となったら、あなたの身体は今、"ある感覚"をフル稼働させています。
それが 「固有感覚(こゆうかんかく)」です。
固有感覚をひと言で説明すると、「自分の身体の状態を感じ取る感覚」のことです。

体のバランスは「目・耳・足裏」のチーム力
私たちが転ばずに立ったり歩いたりできるのは、身体がいろいろな情報を集めて、脳がまとめているからです。
代表的なのがこの3つ。
目:視覚情報(景色・傾き・距離感)
耳:平衡感覚(身体の傾き・加速・回転)
足裏:地面の硬さ・凸凹・荷重のかかり方
これらの情報を小脳がまとめ、大脳へ伝え、そこから手足へ「こう動こう!」という指令が出て、私たちはバランスを保つことができるわけです。
固有感覚とは「目を閉じても、自分の身体がわかる感覚」
固有感覚は、筋肉・腱・関節・皮膚などにあるセンサー(=固有受容器、機械受容器)からの情報で成り立っています。※固有受容器=筋紡錘、ゴルジ腱器官など。皮膚の機械受容器=マイスナー小体、ルフィニ終末など。
目を閉じていても「肘が曲がってる」「足首が内側に倒れてる」「今つま先に体重が乗ってる」みたいに、身体の状態がなんとなくわかるのはこのセンサーのおかげです。
この感覚は、生理学者のサー・チャールズ・シェリントンが1906年に"proprioception(固有感覚)"として提唱したことで広く知られるようになりました。

足裏の固有感覚が鈍ると、何が起こる?
足裏は、ヒトの身体で唯一地面と接する部位です。
特に足指は"足元を照らすライト"のように、地面の形や硬さなどを感じ取って、歩き続けるための情報を集めています。
しかし、足裏のセンサーの働きが鈍ってくると、結果として、
・ふらついたり、つまずいたりしやすい
・姿勢や歩き方が不安定になりやすい
・足・膝・腰に負担がかかりやすい
・必要以上に筋肉を固めて疲れやすい
...といったことにつながる場合があります。
特に、成長期のお子さんは、動くことで体の使い方を覚えていく時期です。
さまざまな刺激を受けながら固有感覚が育つため、日頃から足裏や体に適切な感覚が入りやすい環境を整えておくことが大切です。
固有感覚は、「がんばって鍛える」ものではなく、動くことで自然に目覚めていく感覚です。
多くの臓器は、自分の意思でトレーニングすることはできませんが、脳と筋肉は、年齢に関係なく使った分だけ学び、変化しやすいと言われています。
だから固有感覚も、「もう歳だから仕方ない...」ではなく、体を動かしたときに入る刺激の質を変えることで、変化が期待できる感覚なんです。
ポイントはとてもシンプルで、歩く・立つ・踏み出すときに、足裏から入る刺激を、体がしっかり受け取ること。
それだけで、固有感覚は少しずつ目を覚ましていきます。
とはいえ現代は「足裏が眠りやすい環境」でもある
本当は、裸足で土や芝生、凸凹のある道を歩くのはとても良い刺激になります。
薄いソールのシューズで自然の路面を歩くのも、足の筋肉や感覚を育てる助けになります。

しかし現実は、
・ずっと裸足で生活はしにくい
・アスファルトや平らな床が多い
・忙しくて自然の道に行けない
という人がほとんど。
そこで、日常の中で"足裏の入力"を起こしやすくする工夫が効いてきます。
固有受容器インソールという選択肢
SKiPの「固有受容器インソール(アクティブタイプ)」は、毎日の一歩で足裏に適切な刺激が入りやすいように、一人ひとりの足や姿勢、歩き方に合わせて設計して作るオーダーインソールです。
大きな特徴は、骨格を支えることが目的ではなく、足裏のセンサーや筋肉と神経のつながりにアプローチし、足が本来持っている動きを引き出しやすくすることを目的にしている点です。
歩くたびに、足裏のセンサーに自然な刺激が入り、その情報をもとに、体が「こう動けばいいんだ」と学び直していく。
固有受容器インソールは、そんなアクティブな考え方のオーダーインソールです。

固有受容器インソールを作るメリット
個人差はありますが、固有受容器インソールには次のようなメリットが期待できます。
・筋肉を活発にしたり、緊張をゆるめたりすることで、全身の筋バランスがととのう
・足裏の感覚入力をサポートし、地面の状態を感じ取りやすくする
・立つ、歩くときの安定感につながりやすい
・足指(特に母指)を使った蹴り出しがしやすくする
・成長期のお子さんや、運動習慣が少ない方の健康な足づくりをサポート
※痛み・しびれ・強いふらつきがある場合は、まずは医療機関にご相談ください。
※固有受容器インソールは、治療を目的としてものではなく、日常の動きをサポートする選択肢のひとつです。
まずは「あなたの足裏センサー」、起こしてみませんか?
固有感覚は、がんばって鍛えるものではありません。
歩く、踏み出す、体重を乗せる。そんな日常の動きの中で、自然と目覚めていく感覚です。
足裏から入るそんな小さな感覚が、あなたの歩きを少しずつ整えていきます。
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